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朝日新聞記事「カジノを日本に」

朝日新聞記事「カジノを日本に」 -2-

最高裁判所

カジノとパチンコの整合性
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 「カジノを日本に」と題した朝日新聞記事の構成手法は、カジノ実現に向けた伏線としての重要な問題提起がベースになっています。それは、記事のどこにも直接書かれていませんが、「カジノとパチンコの整合性」という問題です。
 広告主パチンコ産業を得意先に持つ新聞社は、「カジノができない理由はパチンコにある」という直接批判をしません。賭博の失敗例パチンコを整理してこなかったツケが、カジノ合法化の妨げになっています。あえて、統合型リゾートの中でのみカジノを認めようとするカジノ法案は、パチンコとの整合性が徹底追及される事を避けた結果です。姑息な計画案は、無用な過大投資を招くだけです。パチンコ問題を整理すれば、最初から大風呂敷を前提とするカジノ計画を展開する必要はなくなるのです。
 2011年3月の東日本大震災後、多くの国民が政治・行政のあり方に疑問を持つ様になり、とりわけ矛盾の塊であるパチンコに対するバッシングが高まっています。利害関係者がパチンコを制度上「娯楽」だとしらを切って主張しながら、実態は「賭博」そのもので違法状態のため、この事に非難が集中するのは当然です。利害関係者がまともな日本人なら、こうした非難を聞き入れるでしょうが、パチンコは在日の基幹産業になっているのが現実です。
 原則解放で規制は自治体任せの違法賭博パチンコと、原則禁止で誘致自治体の特定エリアだけ許可する合法カジノの並立はありえません。賭博行為の施行者を特別許可を得た民間事業者とする日本初のカジノ法が実施される場合、民間事業者による違法な賭博行為を厳格に排除し罰する責務がカジノ法・刑法に生じてきます。賭博産業への警察影響力を排除する目的もあるカジノ法案が完成している今日、「パチンコ許可権を持つ警察が良いと言っているんだから換金は問題ないんだ」というのは、もはや通用しないのです。
 朝日新聞記事は、古賀氏意見欄の「○」が、カジノ法を整備し様々な新しい可能性が見えてくるという理想面を表し、大崎氏意見欄の「×」が、カジノ法だけではなく関連する法律もきちんと整理しなければならないという実際面からのアプローチ不足を表しています。
 賭博罪阻却の特別法カジノ法罰則規定に基づき違法営業を処罰する実際面を想定した場合、カジノと同様の業態であるパチンコ・パチスロ店が、賭博罪阻却の特別法を欠いているにもかかわらず実態賭博として営業されているならば、当然、国民の告発によりパチンコ・パチスロ店が違法営業として摘発され、組織的犯罪処罰法第13条により犯罪収益は全額没収される事になります。だから、可及的すみやかにパチンコ・パチスロ店は換金可能な特殊景品発行を止めなければならないのです。
 カジノ法を成立させる立法権は国会にあります。違法行為を裁く司法権は裁判所が有しています。パチンコ業界の監督庁である警察庁生活安全局保安課には立法権も司法権もありません。刑法賭博罪に従う事が行政権者としての責務です。警察のパチンコ利権を固守しようとする保安課は、無駄な抵抗を止めるべきです。
 11年7月29日の朝日新聞カジノ記事は、いまだパチンコ業界を直接批判できない新聞社が、カジノ推進議員とパチンコ業界人の意見を併記し矛盾点を提起する事によりメディア言論自主権を維持した、日本の深刻な構造的腐敗に対する風刺作品です。記事を読めば読むほど、同紙面の「○」がカジノ合法化、「×」がパチンコ違法化を意味している様に見えてきます。もちろん、これが実現するまでには、警察をはじめ、業界、政治家といった抵抗勢力を駆逐する国民世論も必要です。日本人なら、この国の深刻な構造的腐敗を放置したままで良いと考える人はいないでしょう。

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