2005年4月、シンガポールのリー・シェンロン首相は、カジノリゾートホテルの建設を容認し、カジノを解禁しました。これは、複合アミューズメント施設による観光客の増大、雇用の拡大を目指した景気浮揚策に立脚するもので、2009年の完成を予定しています。
アジアのカジノと言えば、韓国やマカオが有名です。特にマカオでは、世界一の人口を有する中国本土からの観光客が多く、アメリカ大手資本によるカジノホテルの建設が続いています。マカオが世界一のカジノ市場になるのは間違いないと言われていますが、アトラクションの質などエンターテイメント性では、やはりラスベガスのリードは不動のようです。
今日、カジノは世界100カ国以上で合法化されていますが、日本政府は、いまだにカジノ禁止の態度を変えていません。日本国内におけるカジノは、日本の刑法第23章「賭博及び富くじに関する罪」に該当します。では、パチンコはなぜ合法なのでしょうか。その理由の一つは、一般にカジノは、パチンコよりも著しく射幸心を煽るという点です。
我が国において、カジノゲームは、民法第90条の「公の秩序または善良の風俗に反する事項」に当たるため、その契約行為が無効になります。つまり、現在、日本でカジノを営む事業者がいた場合、金銭を賭けた顧客と事業者は刑法上の犯罪になり、カジノで利益を得た側が、損をした側から返還要求された場合、民法により、全額返済しなければなりません。
現実には、ルーレットなどのカジノゲームの換金率をパチンコと同じ程度にし、パチンコと同様に、ホール・景品交換所・景品問屋と経営主体を分けても、カジノは摘発の対象となります。一方で、カジノにもあるスロットは、日本のパチンコ店で合法となっています。カジノとは賭博場の事を言いますが、日本では、犯罪たる「賭博」の定義が極めて曖昧なのです。
国内外のテレビ・雑誌で取り上げられる質の高い「アジアンリゾート」は、ほぼすべてが日本以外の国々のリゾート地です。
我が国は、経済的にアジアの中心的ポジションにあるにもかかわらず、海外からの観光客をおもてなしできる「日本でしか味わえない本格的リゾート地」が整備されていないのです。これは、第二次大戦後、経済復興だけを重視してきた我が国の偏った中途半端な政策の結果であり、日本でのレクリエーションは、ごく限定された非常にレベルの低いものとなってしまったのです。
近年は、中国の経済成長によって、アジアにおける日本の優位性もなくなってきています。人口増加も見込めない我が国では、これから日本をどのように再生させていくか、政策的に重要な時期にきています。
日本にカジノを創設する際は、他国のカジノでは味わえない独自性を重視しなければなりません。例えば、我が国古来からの温泉地にカジノリゾートを造る、日本のアニメキャラクターが登場するスロットで外国人にも楽しんでいただく、エンターテイメントショーでは歌舞伎の英語版を公演するなどです。
世界中の人々が、カジノリゾートに集まり日本の風習に興味を示せば、日本文化の活性化にもつながっていきます。真のホスピタリティの追求―それが日本再生のための重要な条件となりそうです。
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