大阪府は、関西国際空港の対岸にある泉佐野市へのカジノ誘致を提唱しています。これは、カジノを中核に、ショッピングセンターやレストランなど、家族で楽しめる施設を泉佐野市のりんくうタウンに集積させる、「りんくうエンターテイメントゾーン」という計画です。
大阪湾岸の埋め立て地に造成されたりんくうタウンでは、バブル時代にまとまった副都心計画の一環として、1,000人収容できる国際会議場を備えた、りんくうゲートタワービル(高さ256m・総事業費659億円)が、1996年に完成しました。
しかし、バブル経済が既に崩壊していたため、この副都心計画が頓挫、その後、大阪府の第三セクターであるりんくうゲートタワービル株式会社は、2005年4月、大阪地裁に会社更生法適用を申請しました。同年12月には外資系企業が、りんくうゲートタワービル社を、ビル総事業費の1割に満たない金額で買収しています。
日本人は、安泰なビジネスを重視し、ゲームとビジネスを分けて考えます。安泰なビジネスを追求するため、破綻した大会社を安値で買収するのは、いつも外資系企業です。日本人がハイリスク・ハイリターンな物件に近寄らないのは、経済としてゲームをするという感覚や交渉力がないからです。
欧米人は、社会の中でカジノというゲームに接してきているため、リスクを取っていかにオペレートするかという能力にたけているのです。社交の場であるカジノでは、人と情報交換をする機会が多く、コミュニケーション能力も向上します。政府がカジノを禁圧している事で、経済・社会感覚を過保護にされてきた日本人には、欧米人のこういった能力が備わっていないのです。
1994年に開港した関西国際空港は、2007年に第2滑走路が完成した事で完全24時間運用が実現、成田空港を上回るアジアの本格的ハブ空港として、世界経済の重要な役割を担っています。りんくうタウンでの、カジノによる再開発計画を実施する環境は整いました。残る課題は、カジノに関する法整備だけです。
大阪府以外にも、財団法人堺都市政策研究所や堺商工会議所が、堺市にカジノを建設する計画を立てています。これは、西部の埋め立て地第7-3区に、カジノホテル、ショッピング街、公園などを配置する臨海新都心建設構想です。
2006年4月、堺市は国内で15番目の政令指定都市となりました。現代の新都心から、古墳や茶の湯といった日本古来の文化を、より多くの世界の人々に発信できれば、我々は、日本のアイデンティティの興趣を再認識する事になるでしょう。
(2008年9月23日 編集)
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