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警察

  斜陽のパチンコ産業 -3-


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  パチンコ業界をコントロールする警察


 日本のパチンコ店は、パチンコ機かパチスロ機のほぼ2種類の遊技機しかなく、マンネリ化していると1ページ目で述べました。今日、パチスロ専門店の数は、全国のパチンコ営業店舗数の1割程度です。もし、パチンコという遊技機に根本的な問題があるとしたら・・・。これは致命的です。
 そもそも、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第4条第4項により、パチンコ店には「著しく客の射幸心をそそるおそれのない遊技機」の設置が義務付けられています。つまり、パチンコ店にディーラーがいて、ルーレットやバカラ、ブラックジャック等のテーブルゲームを楽しむという訳にはいかないのです。
 実際、パチンコ機、パチスロ機のマシンゲームだけでは、ゲームのバラエティに乏しく、パチンコ店は、限られたマシンゲームで、客寄せのための新台入れ替えを、短期間で頻繁に行わなければならないというリスクを背負う事になったのです。しかし、一度飽きた利用者が旧態依然のパチンコ店に戻るはずはなく、新台入れ替えを行っても客寄せには限界があるという結果が、90年代後半からの、パチンコ人口・店舗・売上の減少という数字により明らかになっています。


 パチンコ玉が釘に当たりながら入賞口に入る事で、出玉の獲得を狙うのがパチンコです。当然、打たれた釘は曲がる事もあるため、パチンコ店では釘調整が必要となります。釘は、曲がっている状態を元に戻すまでは許されますが、余計に曲げたりすると違法になるのです。入賞口上の釘を曲げてパチンコ玉を入れなくする釘調整を行ったパチンコ店の摘発例もあります。
 パチンコは、釘の調整を必要としながら、その加減によっては閉店に追い込まれる可能性もあるという根本的問題があるのです。このため、韓国パチンコでは釘が使用されませんでした。
 警察が、遊技機店内設置時の試験後に、再びチェックのためパチンコ店に来る事はほとんどなく、告発情報により動いている例がほとんどです。日本では、営業で実際に使用されている遊技機のチェック体制が確立されていないため、パチンコ店側による「利益操作のための遊技機加工」の余地が大いにあるのです。


 ところで、我が国にはパチンコ店の換金行為を認める法律がありません。パチンコ店は、3店方式と呼ばれるパチンコ店・景品交換所・景品問屋等による、パチンコ店からの換金ルートに関わる経営主体を分けるという方法で、第二次大戦後から60年以上も法律の網をかいくぐってきました。正確な言い方をすれば、日本の警察は、3店方式については網を掛けなかったのです。
 パチンコ機・パチスロ機メーカーは、著しく客の射幸心をそそるおそれのないセーフゾーンを超えそうなギャンブル機を開発してきます。こうしたパチンコ機・パチスロ機等遊技機の型式試験を有料で行っているのが、国家公安委員会指定試験機関である財団法人保安電子通信技術協会(略称:保通協)です。警察庁外郭団体の保通協以外に遊技機の型式試験は認められておらず、警察の天下り先ともなっています。パチンコ店の営業許可については、所管の警察署が担当しています。
 この様に、遊技機認可、出店許可、パチンコ店が違法行為をした時の摘発まで、終始、警察がパチンコ業界の面倒を見ているのです。再度申し上げますが、日本にはパチンコ店の換金行為を認める法律はありません。


 日本の警察の独断で、超法規的にパチンコ店の事実上の換金を容認し、パチンコ業界からの利権を固守しているため、警察自体でパチンコ業界の不正行為を徹底して取り締まれなくなっています。徹底した取り締まりは利権の放棄になるからです。
 警察のこうした利益相反のスタンスは、結局、パチンコ業界のモラルを著しく低下させてしまいました。パチンコ業界は、警察の利益相反事情に乗じて、ありとあらゆる不正を行っています。パチンコ店に関しては、警察署に対する賄賂や、出玉の遠隔操作、大当たりのための裏ロム(不正改造回路)設置、大当たり時の払い出し玉・メダルを少なく制御するカット基板設置、精算時にパチンコ玉・メダルを少なくカウントする計数機導入、脱税・・・。


 パチンコ業界の不正部品を開発する反社会勢力の跋扈は、ヤミルートの部品販売による利益確保にとどまりません。裏ロムは、パチンコ店オーナー主導で、客寄せのため遊技機に設置するケース以外に、反社会勢力主導で、パチンコ店員にマージンを与え設置するケースや、パチンコ店側の監視の目を潜り抜け遊技機に設置するケースに使用されます。反社会勢力主導で遊技機に裏ロムを設置した場合、反社会勢力側が裏ロム設置機で遊技する事によっても、パチンコ店から不正に利益を確保(いわゆるゴト行為)できるのです。
 裏ロム、カット基板といった、遊技機と連動する不正部品の開発には、時にパチンコメーカーの協力が必要となります。もはや、パチンコ業界全体が腐敗しているのです。もちろん、すべてのパチンコ店やパチンコ関連メーカーが不正を行っている訳ではありませんが、パチンコ業界は自浄能力を失っています。
 結局、パチンコ業界で横行する不正を根絶させるのは、これと癒着する警察ではなく、新たなゲーミング産業、つまり、カジノしかないのです。



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