カジノのお話をする前に、マクロ経済のお話をしたいと思います。そんなに難しくはありません。2004年の日本の経常収支は、18.6兆円の黒字で過去最高額を記録しました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、経常収支は、貿易収支・サービス収支・所得収支・経常移転収支からなります。
国力を比較する際、貿易・サービス収支額が重視されます。2004年の日本の貿易収支は、14.3兆円の黒字でした。それでは、2004年の日本のサービス収支額はいくらだったでしょうか。
答えは、4.1兆円の赤字です。日本では、毎年必ず、サービス収支で赤字を計上します。サービス収支と言われてもピンとこない方もいらっしゃると思います。
海外との、目に見えるモノの取引額の差し引きが貿易収支ですが、目に見えないモノ、つまりサービスの取引額の差し引きがサービス収支です。サービス収支の内訳は、旅行・輸送・その他サービスです。その他サービスには、保険や特許使用料、通信、文化・興行サービスなどが含まれています。
さて、サービス収支の中にある旅行収支とは何でしょうか。
例えば、日本人の私がアメリカの航空会社の飛行機でラスベガスに行き、ホテルに泊まって飲食をしてカジノをし、コンサートを楽しみ、ショッピングをして日本に帰ってきたとします。この分だけで日本の国際収支を見てみましょう。
アメリカの航空会社に支払った運賃で、サービス収支の輸送収支が赤字、運賃以外のラスベガスでの精算金額が赤なら、サービス収支の旅行収支が赤字、精算金額が黒なら旅行収支は黒字となります。
実際のところ、統計上の旅行収支は、厳密に正確な金額ではありません。日本から海外へ行った年間1千何百万人という旅行者が、どこで何を食べて、何を買ったかなど、第三者が逐一把握できるはずがないのです。旅行収支について言えば、旅行者が海外で支払った金額は、概算で算出されます。現実には、日本の旅行収支はもっと赤字なのかもしれません。
上記の経常収支に関する数値は、日本銀行発表の国際収支統計(デリバティブ取引計上方法見直し後)に基づいております。
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