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  日本カジノ創設サミット in 徳島 レポート -2-


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 今回のカジノ創設サミットを主催した日本カジノ健康保養学会の、代表を務めている中西昭憲氏は、「中心市街地・保養地におけるカジノの効用」というテーマでプレゼンテーションを行いました。中西氏は、ドイツ南西部の温泉保養都市バーデンバーデンをモデルにした、カジノ健康保養システムの実現を提言しています。

 バーデンバーデンの温泉文化は、ローマ帝国時代から始まっており、19世紀にはカジノが開設されています。以後、貴族の温泉リゾートとして「ヨーロッパの夏の首都」と呼ばれるようになりました。バーデンバーデンのカジノは、気品ある優雅さが有名で、多くの観光客に人気があります。

 カジノ収益金を主に、州の温泉治療施設や文化・観光振興に充てる事を定めたバーデンバーデンの州法に倣い、中西氏は、日本でもこのシステムを導入し、カジノ収益金を地域の街づくりに活かすべきだと主張しました。その街づくりの中心となるのが「知遊空間」です。
 カジノ・文化施設・公園といった、快ストレス・感興・適度な疲労感を味わえる場を、人間の心身に健康を湧出させる「知遊空間」とし、この場での栄養・運動・休養の充実を目指すのが、中西氏の唱えるカジノ保養システムです。


 日本のカジノでは、ラスベガス型大規模カジノを全国数ヶ所にとどめ、地域復興起爆剤のヨーロッパ健康保養型カジノを各県に1ヶ所設置すべきだと、中西氏はプレゼンテーションの結論で提唱しています。

中西昭憲氏 岩屋毅氏
中西昭憲氏 岩屋毅氏
 政府サイドからは、自由民主党カジノ・エンターテイメント検討小委員会委員長である岩屋毅衆議院議員が、「日本カジノ法制化に向けての取り組み」と題する特別講演を行いました。
 岩屋議員は、「世界各国では、行政側が審査・許可する事で、民間事業者にカジノを運営してもらう方法が主流となっている。日本では、刑法で賭博・富くじを違法としているが、競輪・競馬・モーターボート・オートレース・宝くじ・totoについて、刑法より優先される特別法で規定しており、公営ギャンブルとして成り立っている。この様に、我が国で特別法を規定すると、民間事業者にすべての権限を与える事が難しくなる。そこで、地方自治体が施行主になってもらい、施行主から民間事業者に、カジノ建設・運営を委託できる様にしたのが、『我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針』だ。」と説明しました。


 そして、カジノ許可プロセスについて岩屋毅氏は、「まず、カジノ誘致のための立候補を自治体にしてもらい、その中から施行にふさわしい地域を国が抽出する。抽出された自治体は、カジノ建設・運営委託先の民間事業者を、国民が納得する透明なルールに基づき選定し、この結果を国が審査しカジノライセンスを許可する事になる。当然、カジノ営業後も施行内容を国が監視していく。この様に、カジノに関する国の権限は、地域抽出・事業者等の審査・ライセンス許可・施行監視となる。」と述べました。

 カジノ・エンターテイメント検討小委員会が、2006年6月にまとめた「我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針」によると、日本でのカジノを公設民営型としているため、運営受託事業者の納税方式を取らず、基本的にカジノ収益金が、すべて施行主たる地方自治体のものとなります。運用にあたって国の負担もある事から、カジノ収益金の一部を国も徴収する事が予定されています。
 この方式によると、契約により施行主から受託事業者に支払われるカジノ建設・運営費用が、受託事業者の売上金となります。岩屋氏は、「日本でのカジノ開設にあたっては、公共投資と異なり、国や地方自治体が税金を1円も投入せず、民間活力を活用する形で新しい産業を生み出していきたい。」と表明しています。


 我が国でのカジノは、公設民営型が本当にベストなのでしょうか。以下にその問題点を挙げてみます。
 施行主たる地方自治体は、カジノ受託事業者に建設・運営費用を支払いますが、報酬となる建設・運営費用の多寡によっては、有望なカジノ運営会社が、施行主の選定に応募しない事も考えられます。
 また、施行主から選定されライセンスを取得した受託事業者が、以後、随意契約で更新されていくと、官の下請け企業として独占的に固定されます。そうなると、その地域でのカジノの競争がなくなり、サービスの低下を招くでしょう。
 公設民営型では、カジノの規模・営業時間・人員等、建設・運営方法について、ノウハウのない施行主の自治体から、カジノ受託事業者が経営上の干渉を受ける事も予想され、官から制約され過ぎれば、バブル期のリゾート関連第三セクターと経営体質は変わらなくなってしまいます。


 民設民営型のラスベガス・マカオでは、カジノによる収益金を、カジノ建設・運営費以外のエンターテイメント関連費等にも充てる事で、高い集客力を維持しています。公設民営型の受託事業者が、カジノを建設・運営するための収益しか確保できないとすれば、世界の複合カジノ施設と競争するどころか、地域のお客様を集める事も難しくなるでしょう。
 地方自治体の徴収分については、先進国のカジノで一般的となっている定率納税方式の方が、透明性に優れているはずです。日本でのカジノは、地域により必要に応じて、公設民営方式と民設民営方式のいずれかを導入できる様にするべきです。


 加えて、上記見地に立つと、我が国のパチンコは、明らかに民設民営型カジノです。にもかかわらず、行政監督がほとんど機能しておらず、パチンコ税もありません。野放し状態となっているパチンコ業者のコントロールも、早急に解決されるべき課題です。

 岩屋氏は講演の最後に、「世界のほとんどの国で見事に運営されているカジノが、先進国日本で出来ないはずがない。」と強調しています。
 先進国で常識となっているスタンダードへ進化できるかどうか。今、責任ある自由主義国としての日本が試されています。



・関連リンク
 自由民主党 カジノ・エンターテイメント検討小委員会

 「我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針」


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